夏休みには、家族や友人で海へ行く予定を立てている方が多いと思います。海に入って遊んでいるうちに、いつの間にか最初に入った場所から遠く離れた場所に流されてしまったという経験はありませんか? 波打ち際の海底は必ずしも平らではなく、沖に向かって深くなっていたり、浅瀬がしばらく続いていたりとさまざまです。そのため、海水はいろいろな向きに流れます。海岸近くの流れを「海浜流」といいますが、海浜流には次の3つの流れがあります。
・向岸流(こうがんりゅう):沖合から海岸に向かう流れ
・離岸流(りがんりゅう):海岸から沖合に向かう流れ
・並岸流(へいがんりゅう):海岸に沿って流れる流れ(沿岸流ともいう)
このうち、海水浴場で人が溺れる事故の主な原因となるのが「離岸流」(中央の青い矢印)です。波は沖から海岸へ打ち寄せられますが、岸にたまった海水はどこかから沖に戻ろうとします。この時、岸から沖へ向かって流れる早い流れのことを離岸流といいます。離岸流は長さが数十メートルから数百メートル程度、幅はおおむね10メートルから30メートルです。流れの速さは、速い所で1秒間に2メートルほど進みますが、これは水泳選手の世界記録と同じくらいの速さです。そのため、流れに逆らって岸に向かって泳ごうとした結果、体力を消耗して溺れてしまうことががあるのです。
コメント
記事に戻る